【ダボダボ系・ポップ/ロック】そういや、アヴィリルは未だにレビューしてなかったなということに気づいた。2002年のデビューアルバム。ビデオもだけど、この人ファッションリーダーの割に、あんまりセンスよくないよね。このアルバムの写真はベッキーに似ている。
2001から2002年は、同時多発テロの反動などもあり、割とロックが元気だった頃で、個人的に「2001年ムーブメント」と呼んでいる、実力派のラウド系ロックバンドが複数デビューしたような年でもある。その裏では、ヒップホップやハウスミュージックの変質なども有ったのだけど、もう一つ有ったのが、ガールズロックの爆発だ。もちろんその旗手として、頭2つ分くらいリードしたのが、アヴリル・ラヴィーンである。デビューシングル
"Complicated (Youtube)"は、フォークギターに、ヒップホップのサンプリングのようなSEで始まり、歌い上げるのかと思いきや、サビの部分では分厚く重ねたボーカルに、オーバードライブで強めに歪んだギター。アルバムではそれにつづく、セカンドシングル
"Sk8er Boi (Youtube)では、のっけからガツガツに歪ませて来る上、ストリート系のスラングと言うか表記で、アルバムの売り文句も「パンクガール・デビュー!」みたいな感じだった。同時多発的にデビューを果たした
ミシェル・ブランチやステイシー・オリコなどは、真面目にロックという感じだったので、レコード会社もカラーを出したかったのだと思う。
でもアルバムを聴くと、それほどパンクっぽさはない。オープニング曲は2001年ムーブメントのヘヴィーロック然、もっと言えば古くからあるハードロックを踏襲した、マイナーキーの作りであるし、その後もほとんどがフォークギターを持ってギター1本でも歌えそうな曲がつづく。また、この後に出た彼女のアルバムに較べても、デビュー作ということでか、非常に凝った曲作りになっており、簡単に4コードで終わらせないというあたりも好感が持てる。"Sk8er Boi"だって、サビで転調するしね。それに比べて
"Girlfrend (Youtube)"あたりの2000年代後半の曲は、4コードのコード進行で、ギターで弾いていて退屈なんだよね。
あと、この人のビデオ、全部意味不明なんだけど、何なんだろ?
エド・シーランの、異様にモテモテストーリーにも似ているけど、そこまでのストーリーも見いだせないし、ファンの人にはわかるんだろうか?"Complicated"では、ランシドあたりに似せた人をびっくりさせる、みたいなのもよくわからない。音だけ聴いといたほうが良いのかもしれない。