アルバムは、先程の"Hot Mess"と同系のエレクトロ・ファンクというか、Zapp系のファンクがずっと続くので、この手のが好きな人なら金太郎飴状態でどれを聴いても楽しめるだろう。アルバムのリードトラックは "Night by Night" かな? 曲はいいけどビデオが最悪なセンスの "When The Night Falls" などもあり。
音の方は、ひたすら1970'sな雰囲気であるが、ビデオでは1980'sをパロディにするのが好きなようで、Youtubeをはしごしていても結構楽しい。アルバムは違うが、 "Bonafied Lovin" は、Dire Straitsのパロディだし、 "Come Alive (feat. Toro y Moi)" は、Robert Palmerか『マネキン』(Starship "Nothin' Gonna Stop Us Now") 辺りのパロディだ。
Hoobastankは、おそらく個人的に「2001年ムーブメント」と呼んでいる、 Linkin Parkなどを始めとしたメロコアやグランジを飛び出して、色んなジャンルをミクスチャーしたロックが流行った頃に頭角を現してきたバンドであろうと思う。感触としては Simple Planなどに近く感じたが、改めて聴いてみるとギターのリフづくりなどや曲の展開がやや複雑で、バックグラウンドに正統派ハードロックがあると感じる。Simple Planはメロコア系。さらに手数の多いドラムなど、テクニックは相当高等だ。
ワタクシがHoobastankを初めて知ったのは、千葉はBay FMの土曜日の坂上みきの番組で、 "The Reason (Youtube)" がめちゃくちゃ押されていた時期があり、またかよと思ったところなので、同類が関東にはちょくちょくいるのではないかと思われる。この曲はメロディーが残りやすいバラードであり、逆に言うとバンドのイメージがあんまり湧かない曲であった。
これが、アルバムを聞いてみたら ”Out of Control" みたいな曲があれば、1980年代後半のハードロックみたいなギターの曲があったり、Hip Hopを意識したリズムがはねた曲があったりと、むしろ"The Reason"よりも印象が良くない?というもの。アルバムが売れてもシングルカットした1曲以外聴かれないバンドが多いが、このアルバムは全部良い。おすすめ2003年。
]]>Hanging in The Balance / Metal Churchhttp://tikuo.exblog.jp/33060273/2023-08-05T11:09:00+09:002023-08-05T11:09:33+09:002023-08-05T11:09:33+09:00tikuo2005【ハードロック, メタル】【鶏肉みたいなおばちゃん系・スラッシュメタル/パワーメタル/ヘヴィーメタル】夏が暑いし忙しいし、今年の申請書の締切が2ヶ月早いし、新しいゲーム機やゲームを買ったのでやらないと、などと行っているうちに8月。暑い。暑いのでメタル。この数年、いや10年、メタル関係ばかり充実している気はする。
Metal Churchである。この人達、このアルバムを出した時点で結構なキャリアが有ったはずだし、世界でも日本でも知名度も有ったし、バンドロゴも常にBurrn!の新年号にシールとして存在したし、当時の高校生は聴いたことがなくてもロゴが描けるレベルで知られていた。知られていたにもかかわらず、ジャケットデザインは毎回コロコロとスタイルが変わるバンドなのである。ホラー映画のような魚眼レンズでくらい家を写したものであったり、昔のカントリーバンドのような白黒写真、本作の1枚前の名盤"The Human Factor"は裏ジャケですよね?といいたくなるような、キャンドルの置かれた中メンバーが寝そべっている写真。そして本作。
ジャケットはまあ置いといて、1991年"The Human Factor"と1993年"Hanging in The Balance"は本当によく聴いた。当時はメタルやロックが細かくカテゴリ分けが進み、スラッシュメタルの中でもボーカルのメロディーラインが強いものをパワーメタル等と呼んでいたのだが、Metal Churchもそのスラッシュとパワーの間にいたバンドであろう。力強いビートにちょっと無機質とも言っていい複雑なギターリフ、そこに高音のだみ声のボーカルは、スラッシュメタルというにはメロディアスで、ヘヴィーメタルというにはちょっと音の長さが足りない。でもその丁度いいあたりを攻めていた。
前作"The Human Factor"では ”Date of Poverty (Youtube)” のような、速いわけではないが前のめりでガツガツと押しの強い曲を中心としていたのに対し、本作ではややミドルか少し遅いテンポで、静かに始まってドラマティックに展開する曲が多い。例えば2曲目 ”Losers in The Game (Youtube) )” のような30秒ほどのCMにも映えるメロディックな曲である。一方で当時の Panteraなどの影響もあり、ギターのリフやスネアドラムのエフェクトは短く切れの良いものになっているあたりが、時代に合わせた成長なのであろう。
ドラマティック寄りになったことの弊害は、当時のトレンドだったのかもしれないが、1曲が長くなっているのも特徴。 "Little Boy (Youtube)" にいたっては、バラードのような入りからスタートして、堂々の8分超えという大作。そこまでのものが当時望まれていたかどうか、記憶が曖昧である。しかし、スラッシュメタルらしからぬ、サビなどの要所要所でコーラスがハモるのも、Metal Churchというバンドの魅力である。
調べたところ、2023年にまだアルバムを出しており、活動しているようだ。一方で、まずはじめのおすすめはと聞かれたら、1991年と1993年の2枚を上げるだろう。
]]>The Best of KC and The Sunshine Band / KC and The Sunshine Bandhttp://tikuo.exblog.jp/33002029/2023-06-17T10:36:00+09:002023-06-17T10:36:44+09:002023-06-17T10:36:44+09:00tikuo2005【R&B】【青ロゴ系・ファンク/ソウル/R&B/ロック】青い文字バージョンとベージュバージョンがあるらしいけど、家にあるのは青いやつ。傷有りで安く買ったような記憶がある。
KC & The Sunshine Bandは、説明もいらないレベルの超有名ファンクグループ。Earth, Wind & The Fire、Kool & The Gang、Sly & The Familystone etc. etc. (Bee Geesもね)といった、1970年代のソウルトレイン系ファンクバンドのレジェンドの一つである。「♪ゲッダーンゲッダーン」残念、それはKool & The Gangだ。
そう、当時リアルタイムでなかったのもあり、悲しいことにどうも他のバンドと混同することが多く、特にバラードがヒットしてウェットな印象のKool & The Gangと混同することが多い。多分それはワタシだけではないはず。
KC & The Sunshine Bandというと、やはり "That the way (I like it)" のようなBee Geesの何故かファンク路線に行ってしまったときのようなホーンバリバリの曲か、 ”(Shake, Shake, Shake) Shake Your Booty” のようなギターのカッティングが軽い、繰り返しフレーズの印象が強い。バラードと言うと、ちょっと軽いイメージだ。
そのあたりも「Sunshine Band」という名が示すカラッと明るいところなのだろう。
改めて映像を見ると、メインは白人だったんだな。知らんかった。今こういうことをやると、よほど肝が座ってない限り、文化の盗用と言われて弾かれてしまうんだろう。めんどくさい世の中になったものである。
]]>Different Gear, Still Speeding / Beady Eyehttp://tikuo.exblog.jp/32937541/2023-04-02T19:47:00+09:002023-04-02T19:47:45+09:002023-04-02T19:47:45+09:00tikuo2005【ロック】【モンドワニ系・ロック/ポップ】2ヶ月以上忘れてました(一応月イチが目標)。で、適当に開いたやつを紹介すると。
このアルバムからは、やっぱり1曲目の、スラップ風ベースラインにこだわった "Addicted To A Memory feat. Bahari (Youtube)" を聴くと、出張だなーって気分になるんですよね。個人的に、羽田空港に向かうモノレールでこれをよく聴いていたので、Zeddと Capital Cities は出張のお供だったなー。残念ながら、飛行機で出張に行くのも過去のものになりつつ有る。
また、関係ないとは思うが、アニメ『Spy x Family』で、車のCMにも使われた "Beautiful Now ft. Jon Bellion" そっくりのピアノ曲が使われていたので、ちょっと思い出したのだった。
]]>Travelers In Space And Time / Apple In Stereohttp://tikuo.exblog.jp/32825237/2022-11-27T08:55:00+09:002022-11-27T08:56:44+09:002022-11-27T08:55:24+09:00tikuo2005【ロック】【真鍋博が描きそう系・ロック/ポップ/ミクスチャー】ジャケ買いの大好物系な1枚。「ナントカ物理学概論」なんてハードカバーの表紙に描かれていそうなもの出そう。なにせワタクシ、昔のプロパガンダビラのデザインなどが大好きだったので、こういう幾何学模様や少ない色でインパクトの有るデザインは好き。文庫本でも松本清張の文庫版『日本史発掘』の握手でバリエーションがあるデザインが好きで、数年かけて本当に苦労して全13巻を購入した。再販されているが、つまらない表紙になっている。
そんなことはどうでも良い。Apple In Stereoである。このアルバムに出会ったのは今を遡ること10年ほど前。Apple In Stereoというバンド名は知っていた。というか、買ったことが有る。1996年の"Science Faire"というアルバムを、ムムム、これはデジタルっぽいロゴデザインに、当時凝っていたドラムンベースか、それともLo-Fiなピコピコサウンドか?と購入したところ、ズルズルしたファズサウンドのミドル~スローテンポなロックで、かといって1995年頃のわかりにくいスカしたものでもなく、Weezerなどの哀愁のものでも、メロコアでもなく、何だこりゃとなったのだ。言うときますが、当時はまだYoutubeなんか無いですからね。そういえば、1990年代のSireレコードってこんなのばっかりだった。
そこからApple In Stereoを脳内ではブラックリスト入りさせていたのだが、2010年に出た"Travelers In Space And Time"のこのジャケットでつい手に取った。
これが良かったのである。ボーカルがひねくれた高音ボーカルに変更になっており、メンバーが変わったのかもしれぬ。アナウンスのようなイントロ明け ”Dream About the Future (Youtube)" のエレポップでもギターロックでもない、でもなにかしら1980年代を彷彿させるポップセンス。 Jellyfishや ELOにも通じる物がある。 ”Dance Floor” なんか、イントロがもろELOだ。
全体に、デジタルっぽさはないものの、ギターが切り込んでくるようなハードな展開もなく、しかしポップロックとしての完成度は高くて、 "Nobody But You" なんか、音作りが1970年代か。いや、2010年です。
また、Apple In Stereoは 毎回ジャケットデザインがいい意味でも悪い意味でもぶっ飛んでいて、手描きモンドリアンや、サインカーブ、家の設計図?など、揃えたくなるタイプのジャケットデザインである。今更取り寄せも大変なんだけど。他には Stereolab なんかもいいセンスですよね。
Youtubeで聴いた限りは、1997年の手描きモンドリアンデザイン "Tone Soul Evolution" も当時聴いてたらドハマリしてたやつやコレ。1年違いでぜんぜん違うアルバム出すんだなこの人ら。
]]>Deepest Purple - The Very Best of Deep Purple / Deep Purplehttp://tikuo.exblog.jp/32798857/2022-10-30T11:23:00+09:002022-10-30T11:23:48+09:002022-10-30T11:23:48+09:00tikuo2005【ハードロック, メタル】【誰のギターやねん系・ハードロック/ロック】定番のベスト盤なんだけど、ずっとこのギターが謎。リッチー・ブラックモアならスキャロップのローズ指板だし、黒いピックアップはいいとして、ピックガードは3プライのホワイトだろう。デザイナーがわけも分からずにつくったっぽいのがめちゃくちゃ気になる。
つい最近、五十嵐貴久の小説『1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター』を読んで、ひたすら繰り返される "Smoke On The Water (Youtube)"の描写に、あれ、ベースってそういう感じで入ってたっけ?と引っ張り出してきたので、かれこれn十年ぶりに手に取って、MP3に取り込んだばかり。
"Death by Hanging (Youtube)" のオープニングの、ちょっとリバーブかかり過ぎじゃないの?という録音にツインバスドラムの連打、そこからちょっとこもって音程が怪しいボーカル。Blind Illusionやんけ(まだ紹介してなかった?)と気がつくが、当時調べても(ネットもなかった)そんなことは何一つ書かれていない。少なくとも、Blind Illusionに比べると非常に録音状態は良くなり(あれひどいんだ)、相変わらず7分というちょっと長い曲を2曲もやりつつ、3~4分でまとめる集約力がついていたため、とても聴きやすいスラッシュメタルの1枚であった。
ものすごくざっくりと言ってしまうと、Megadethと Metallica のいいとこ取り。
"Pray for Death" ほらほら、どう聴いてもMetallica。
正直言うと、このアルバムのあと4年間もアルバムが出なかったし、ワタクシも完全に忘れ去っていたのだけど、大学の時に中古で投げ売りされている 2nd アルバム "Victims of Deception" (1991)をふと手にとって思い出した。こちらはもっと録音がタイトでシャープになっており、当時の流れのグランジなどのムーブメントに全くタッチしない作品。そして曲が長い。1曲目8分超え、2曲目7分50秒、3曲目9分半。おい。そんななかで長い曲が終わった途端に流れる3分半の "Kill the king"。Rainbow(もまだだっけ?)のアルバムも持っていたが、この曲ってこんなにかっこよかったっけ?と思わされたのだった。
そんな感じで、ムーディーにインスト中心のA面から、B面に写った瞬間に雰囲気が変わるのだ。 "A Gospel" はHip Hop (当時の)。その後もR&Bやロック系の曲が続くのだが、残念ながら記憶に残るのはA面なのだな。
Corduroy や The Brand New Heavies なども、Style Councilの影響を多大に受けているんだろうと思う。影響力はすごかったのはわかるが、イギリス人って意地悪だなあとも思う1枚である。
]]>Untitled / The Rembrandtshttp://tikuo.exblog.jp/32571154/2022-04-29T11:18:00+09:002022-04-29T11:18:44+09:002022-04-29T11:18:44+09:00tikuo2005【ポップ】【ゴーギャン風・ポップ/ロック】The Rembrandtsってまだ紹介してなかったっけか?ということで。
Rembrandtsといえば、世の中の人のほとんどが "I'll be there for you (Youtube)" で初めて知って、その他の曲を1曲も知らないという感じだと思う。日本ではNHK教育テレビで放送されていた、サンフランシスコを舞台にしたドタバタコメディドラマ "F. R. I. E. N. D. S."のエンディングテーマであったわけだけど、一度だけ見たけど、声が違った気がする。出演者のカバーだったのか?
かくいうワタクシも、"I'll be there for you" をラジオで聴いて、お、この人らアルバム買おうと探して、中古でようやく見つけたのがこの"Untitled"というふざけたタイトルの2ndアルバムであった。
アルバムの始まりが "Jonny have you seen her?" (主語がyouだからhasじゃないのね) で、あれ?暗くない?と思ったら、途中から急に聞いたこと有る明るい雰囲気なるんだな。The Beatlesっぽいんだな。その後も緩急と言うか、マイナー多めにメジャーコードを加えて哀愁を漂わせるポップな曲が続く。 ”Rollin' down the hill” などのドライなポップソングも有るが、このアルバムは全体にストリングなどが多めの、ウォームでちょっとウェットな曲が多めである。
1995年に出た"L. P. "は、”I'll be there for you"効果で売れまくったおかげで、中古にも潤沢にあるものの、1990年の 1st "The Rembrandts" 1992年の "Untitled" は一部で評価が高いものの入手困難。1998年の Danny Wilde&Rembrandts名義"Spin This"に至っては、知る人ぞ知るというもの、持ってます。
The Rembrandtsはアルバムジャケットのごとく2人組なので、4枚目でDanny Wilde名義になったので調べてみると、やはり相方のPhil Solemが一旦離脱していた模様である。ちなみにこのアルバムはゴーギャン風ですが、一つ前はマチス風かな。"L. P."は写真。
初めて購入したという贔屓目もあるが、個人的にはこれが一番好きで、多分これからも一生もののポップアルバムの1枚である。
]]>Prisoners in Paradise / Europehttp://tikuo.exblog.jp/32537097/2022-03-28T19:22:00+09:002022-03-28T19:24:04+09:002022-03-28T19:22:26+09:00tikuo2005【ハードロック, メタル】【不思議な煙系・ハードロック/ポップ/ロック】Europeはまだ紹介していなかったのだな。しかもCD、テープで散々聴きまくったくせに、MP3で取り込んでなかったので、先週取り込んだ。
Europeといえば、少なくとも日本では "Final Countdown"で「一発屋」として認識されているバンドで、シンコーミュージック Music Life誌において「豚鼻の」などといじられキャラになっていた、ジョーイ・テンペスト率いるハードロックバンドである。個人的にも、キーボード主体のバンドというイメージがあったので、最初はあんまり聴いてこなかった。
でも、結局一番好きなアルバムはこの第一期Europeのラストアルバムで、オープニングから "All Or Nothing (Youtube)" である。"Final Countdown"のキーボードのイメージが一気にすっ飛んだ。もちろんこのアルバムにもキーボードを主体とした "I'll Cry for You" なんて曲もあったりするわけですが。
でもまあ、結局、このアルバムで印象に残るのはタイトル曲の "Prisoners in Paradise" でありまして、高校生の時分に、なんとかイントロやギターソロの部分部分をギターで弾こうとしたのをよく覚えている。今ならほぼ弾けるんだけどね。
このアルバムは、ハードロックマニアには「アメリカンに寄せ過ぎ」「凡庸」と散々けなされているようでは有る。このアルバムのあとにジョーイ・テンペストが出したソロ "A Place to Call Home" と方向性が似ていることもあり、両方だいたい同じような評価かな。
両方好きだし、両方ギター弾くのに丁度いいのにねえ。他のアルバムも発掘したい。
]]>Get Your Heart On / Simple Planhttp://tikuo.exblog.jp/32505053/2022-02-26T09:59:00+09:002022-02-26T09:59:10+09:002022-02-26T09:59:10+09:00tikuo2005【ロック】【ガチャガチャ部屋系・ロック/ポップ/メロコア】またギターの練習関係の1枚。曲がとてもシンプルなので、簡単にコードを撮ったり出来る1枚。Simple Planが出てきた頃って、勝手に「2001年ムーブメント」と呼んでいるヘヴィー/パンクロック系の新しい流れで出てきたバンド。
Linkin Parkなどのように独特にとんがったわけでもなく、Good CharlotteやSum41などのようなパンク感が有るわけでもなかったため、デビュー当時はあまり注目されていなかったが、堅調なロックスタイルでじわじわと人気が出た。2011年のこのアルバムの "Jet Lag (Youtube)" あたりで日本でも火がついたと記憶している。
アルバムは、 "Can't keep my hands off you"のようなものもあれば、 "Summer Paradise" のようなレゲエが有ったりもする。個人的にこのアルバムの好きなのは、やはり低音側がしっかりとボトムを支えており、メロコア系のバンドに不満だったベースが軽く走り回るものではないことと、ほとんどが4コードで弾けてしまうシンプルな曲作りであろう。
Jamie Lidellの3枚目?たぶんラジオで紹介されて、日本で初めてブレイクしたアルバム。2000年代の後半から2011年に、特にヨーロッパを中心に、本流とは少し違うR&Bやファンクの単体アーティストが散発的に現れた時期があった。イギリスからでてきたJamie Lidellの他、 Tuomo、Raul Midon、個人的に好きなMediは2011年の模様。 Alex Clareもその一旦であろうか。それぞれ、オーセンティックなR&Bのスタイルを踏襲しつつ、新しいスタイルを取り入れて、アメリカの南部を中心とした、伝統的アフリカンアメリカンの("黒人", "ブラックミュージック"はもう使わないほうが良い時代なのだが、いい言葉がさっとでてこない)タイプとは少し違う、一聴で肌触りの違う音楽スタイルをひっさげて、それぞれがデビューし、注目されていた時代があった。
Jamie Lidellの2008年のこのアルバムでは、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイといった、ベースや生楽器を多く使って、クラシックでウォームなスタイルのオープニングトラック ”Another Day (以下Youtube)”から、エレクトリックファンクな "Figured Me Out"、シャウトでロックな雰囲気の "Hurricane" など、多彩なスタイルでは有るものの、全体にウォームな雰囲気で、ある意味「ブルー・アイド・ソウル」っぽさがありつつ、でもちょっと違うんだよねーという、2000年代後半の独特の雰囲気を持っている。